第6章 6日目
「…映画、出るの?」
「一秒くらいだよ?しかもぼやけて。」
あははは、と笑ったけど二宮くんは笑ってくれなくて、……シュン。
「それ、メイクとか、髪とかやってもらったの?」
「あ、うん。初めてでドキドキしたよ。」
そう言っただけなのに、また不機嫌な顔をした。
「…のくせに、可愛い。」
「…え!」
二宮くんがピョンっとベッドから降りて私に近付いた。
「に、二宮くん」
「なに」
「ちかい、です。」
「うん、わざと。」
「な、んで。」
「可愛いから苛めたくなる。」
「!!」
これは仲直り、なんでしょうか。もう二宮くんの挑発にはのらないでおこうと、私にしては珍しく学習できた1日だった。
『 あんまり綺麗にならないで 』END.
がいつもとは違う雰囲気で帰ってきた。なんか大人っぽい綺麗な感じ。喋ってみるといつもので安心した。
「二宮くん、」
「なあに。」
「いつも疲れてるのに、かまってくれて、一緒にいてくれて、ありがとう。」
「…なに、どうしたの。」
「エキストラしたらね、二宮くんのことばっかり考えて、これ言おうって決めてたの。」
ふへへへへ、と照れたように笑う。そういう顔、まさか他でもしてませんよね?ほんとに時々不安になる。
「、キスしてほしいの?」
「えっ!?そんなこと、言ってないよ!なんで!」
あ、そうなの?あんまり可愛いことばっかり言うから、そうなのかなって。
恥ずかしがるを無視して唇を重ねた。その顔を見て閉じ込めておきたい、と思った私は変態なのかもと少し不安になった。