第4章 4日目
突然「あ、そうだ、」と思い出したように目を大きくさせた二宮くん。
「私今のこと、彼女って言っちゃいましたけど。」
「…え!?」
「聞いてなかったの?言ったよ、堂々と嘘ついたよ。」
「…はい!?」
「どうすんの、二宮和也嘘つき呼ばわりされたら。」
な、何言ってるんですか二宮くん。
怖いです、私今強迫されてるんですか?お金ですか?ないですないですないですお金なんて500円貯金くらいしかないです。
「嘘つきにしないで
私の彼女になってよ」
「…は、い?」
「あ、今のイエスでとらえていい?」
「えっ、」
「は二宮くんが嘘つきって呼ばれても罪悪感ないの?」
わ、私のせいみたいに言わないでください。
大体付き合うってそんなんじゃ…
「楽しかった、と話したら落ち着いた、私のものにしたいと思った、あんな合コンじゃなくて私の隣にいたらいいのにって思った、そんな気持ちじゃ、ダメですか?」
目の前にいるのは初対面の男性。可愛い顔して意地悪そうで私のことを何度も馬鹿だと言った。こんな人、初めてだ。
「あはは、顔赤いよ、」
私の返事も聞かず、とびきりのアイドルスマイルをくれた二宮くん。
これが見られるなら、何度でも言うことを聞きそうだと思った私は、もうこの頃から二宮くん中毒だったのかもしれない。
『 初めまして 』END.