第3章 3日目
眠たいせいか、
いつもよりゆっくり話す二宮くん。
「え!?あ、・・・うん、
そりゃあアイドルだもん、ね?」
「・・・俺、は?・・・アイドル、だよ?」
私の手を握る二宮くんの手に
少しだけ、力が入る。
「・・・うん、二宮くんも格好良いよ。」
一番だよ、
私にとっては一番のアイドルで
男性で、彼氏で。
「も、とか・・・嫌だ、
は俺だけ見てればいいのに・・・、」
最後に方はなんて言ってるのか
よく聞き取れなかったけど
全部聞こえてたら嬉しすぎて
きっと吐きそうになるから
今日は聞こえないフリをしておきます。
『 手は出さないで 』END.
朝目覚めるとの家の
ソファーに寝ていた。
驚いてを探すと
私の手を握ったまま上半身だけ
ソファーにうつ伏せになった状態で
スヤスヤ寝ていたから安心した。
ずっと傍にいてくれたんですか、
ほんと馬鹿だなあ、風邪ひくってば。
頭を優しく撫でると
体温が気持ちよかったのか
わかりやすいくらい幸せそうな顔をしたので
思わず笑いが出た。
昨日、が私を想って
嘘をついてくれたのに
つい、ホントのことを言ってしまった。
理由はわかってる。
こんな私にも独占欲があったなんて。
初めて気づく自分の一面に
これも全てのせいだと思うと
少し嬉しさを感じた朝だった。