第26章 26日目
「が思ってるような、男じゃない。
都合よく考えないで。」
またしても冷たく言い払われる。
その言葉からは何も伝わってこない、なんの気持ちもない言葉って、こんなに辛いものなんだ。
「わかるよね?俺はを幸せになんて、出来ない。いずれは結婚なんて話するんでしょ?なんの夢もないよ。そんなものしなくてもいい、こういう男だよ、俺は。」
・・・そうだよね。
あなたはアイドルで皆の、嵐の二宮和也で
「…俺と一緒じゃ、ダメなんだ。
いい加減わかってよ…!」
初めて二宮くんが大声を出す。
二宮くん、何のためにそこまで言うの?
私がわかってなかったのかもしれない。
一番近くで見てきたっていう勝手な自信が
二宮くんを苦しめていたのかもしれない。
私は幸せだった。
二宮くんと過ごしたあの時間だけが幸せだと感じた。
私だけ?二宮くんは違ったの?
全部、嘘だったのかな。
あの笑顔も、怒った顔も、スネた顔も、甘えた顔も、泣いた顔も、全部全部嘘だったのかな、
ねえ、二宮くん
わたしは、
わたしはね
「・・・二宮くんじゃなきゃ、ダメなんです。」
「私の幸せは、私が決めたい。
もし二宮くんが私のためにって、私の幸せを思って別れを選んでくれたなら、私も二宮くんを幸せにしたい。
二宮くん、
私のために、傍にいてくれませんか。」
これで終わり、最後の賭け。
もう何も隠すものなんてない。
ここに来るまでに、1から10まで言いたいことはちゃんと考えたはずなのに、結局何も出てこない。
言いたいことは沢山あるのに、伝えたいのは「好きだ」という気持ちだけだった。
気持ちを伝えてしまったら
閉じ込めていたものが
次から次に溢れ出して止まらない。