第23章 23日目
車を少し走らせ、人気のない場所に止める。運転している間、私は緊張で何も話せなかった。二宮くんの大好きだった香りに今は泣きそうになる。
「・・・・・・」
何も話せない。何を話していいのかわからない。
「・・・ごめん、連絡しなくて。」
「・・・うん、」
「ごめん、俺のせいでが」
「それは違うよ!」
何のことを言っているのかわかった瞬間、つい大きな声を出してしまった。
あの記事は二宮くんが悪いんじゃない。
誰のせいでもない。
私は傷ついてなんかない。
「二宮くんだよ、大変なのは二宮くんの方、ごめんね、私のせいで・・・っ」
二宮くんと連絡を取らなくなって1度も涙を流したことなんてなかったのに、私は強くなったんだと思っていたのに、
二宮くんの声を聞くと、私はまた泣き虫に戻る。