第22章 22日目
見に覚えのないワード。
何言ってんの。二股?激怒?何それ。
中に書いてある記事はもっとひどかった。
なんで、なんでが悪く書かれるの。こんな根拠のない妄想話、なんでがこんな目に、
「…事実じゃ、ない…!」
その紙切れを握り潰した。
「…二宮さん、落ち着いて下さい。…事実じゃなくても…世間はこれを信じます。今からどうするかを考えましょう。」
今からどうするか?そんなことよりがこれを知って、まわりにバレて、マスコミに知られて、そうなったら、はどうなる。こんな時にまたの傍に居てやれない。また俺は自分を守ることばかりじゃないか。
「…のとこに」
「今は無理です。社長が事務所でお待ちです。それから、携帯電話切っておいて下さい。マスコミ関係者から必ず連絡がきますから。」
「じゃあ、連絡だけでも、」
「二宮さん、あなたは今だけの人じゃないんです!ファンが大勢いるんです。社長だって、私だって…今は、苦しいとは思いますが、目の前の問題を優先してください。」
言葉を遮るようにマネージャーが口を開く。
その話し方は、自分の感情を押さえているように見えた。
「……」
そして言われたその言葉に何も言えなくなる。
俺は嵐の二宮和也で、それを忘れた軽はずみな行動がこんなことを招いた。俺の失敗で、にまで辛い思いをさせることになった。
「…ごめん、」
「私こそ、出過ぎたことを言って申し訳ありませんでした、」そう言って、静かに車を出発させる。
車の中で目を瞑ると嫌でも頭にはが浮かぶ。
これから先もこんな思いをさせるくらいなら
独りで苦しい思いをさせるより
俺ではない誰かが傍にいてくれた方が
その方が
は幸せになれるかもしれない。
その誰かに住久くんを思い浮かべる。
住久くん、お願いだから
今はを独りにしないで。