第22章 22日目
『おはようございます。』
電話の向こうでいつもとは違う深刻そうなマネージャーの声。
「…はよ、…早くない?起こすの。」
今日は確か、13時スタジオ入りの予定だったはず。携帯電話は朝の5時。なんで。
『今日発売の週刊紙に昨日のことが載ります。』
まだ起きてない自分の脳が、一所懸命動こうとするのがわかる。
…昨日の、こと?
今の俺じゃ色んな引き出しを開けてみても、答えが見つからなかった。
『今日は忙しくなりそうですよ。』
では30分後に、そう言って電話は切れた。勿体ぶらずに早く言って欲しい。一体何が載るっていうの。
重い体を起こして、ベッドから出る。やることは顔を洗って、歯を磨くだけ。服なんて寝巻きでもいいくらいなんだっていい。どうせ衣装に着替えるんだから。15分くらいはボーッとしていたら、マネージャーがいつものように家の下まで迎えに来る。
只今朝の5時55分。