第19章 19日目
「二宮くん、今日は何が」
「ハンバーグ。」
私が質問を言い終わる前に答え終わる二宮くん。
「また?」
「また。」
二宮くんに何が食べたいかを尋ねると、決まってこの答えしか出てこない。しかも即答で。
「私二宮くんにハンバーグしか作ってない気がする・・・。」
「何回食ってもうまいもんはうまい。」
それって・・・
私のハンバーグを褒めました?
それともハンバーグの存在を褒めました?
できれば前者であって欲しい。
「あ、ハンバーグが好きってことよ?」
ええ、そうですとも、わかってますとも。
いちいち言わなくて、大丈夫です。
「お買い物行ってこよ。」
「あ、俺も行くー」
とソファーに腰掛けて、テレビを見ていた二宮くんが動き出す。
「何言ってるんですか!」
「え、だから一緒に、買い物。」
「二宮くん、やたら外出たがるね。
だめよ、当たり前で。」
「なんで、」
「今、私より馬鹿みたいなこと言ってるよ、二宮くん。」
「なーんーでー」
「一緒に出たらダメだよ、
そんなことしたら一緒にいれなくなる。」
「あーあ・・・、とスーパー行って、俺が欲しい物全部カートに入れて、がワーワー言いながらそれを元の場所に戻してきて欲しい。買いすぎです、とか言って欲しい。」
「二宮くん、妄想と願望が特殊すぎます。」
「そう?」
「うん、なんか狭いです。需要がなさそう、その妄想。」
「そーかなあ、私、に注意されるの、嫌いじゃないんですよね。」