第3章 バスケ部
ビリビリ……プシュー……
ビリビリ……プシュー……
あれから数分。
私は、ひたすらボールに空気を入れていた。
空気を入れたボールは、気をつけながら
周りに置いておく。
「んっ……!終わったぁ!」
機会とチューブを片付け、立ち上がる。
それが間違いだった。
「おおっと…」
うっかりボールを踏む。
そのボールが弾け飛び、他のボールにぶつかる。
そのボールは弾け飛び、また他のボールに…
その連鎖だ…………。
「ああっ、ちょっと……!
待ちなさいよ!」
反論むなしく、ボールは好き勝手に
跳ねていく。
それも、空気たっぷりの新しいボール。
わずかな力で、かなり跳ねる。
「………………………………………………。」
「おっと、こんな所にボールが……」
入り口から声がした。
「氷室さん!」
それは、ボールを抱える氷室さんの姿。
「あ…すみません。ボール、
転がしちゃって……」
氷室「ふふ、マネージャーも大変だね」
しばらく呆然としていたが、ボールを拾い集める
氷室さんを見て、私も拾い集める。
………………こうして見ると、氷室さんて、
綺麗な顔してるよな…………。