第5章 誓い(前編)
ラクスが携帯にかけてくるのは珍しい、そう思いながらも電話にでる。
「もしもし?」
「あ、マリューさん、お久しぶりです。」
「久しぶりね、元気してる?」
「はい。マリューさんもお元気そうで」
空元気なんだけどな、と苦笑いしながらも
「ええ、で、どうしたの?」
「今日、マリューさんお暇ですか?」
「..先ほどからね」
ひま、すぎるほどに。
「え?」
「あ、ううん、なんでもないのっ、こっちの話っ。予定はないけど?」
「ほんとですかぁ?」
ラクスの声がさらに明るくなる。
「じゃぁ、少しお付き合い願いたい場所があるんですけど、よろしいですかね?」
「え?あ、あぁ、別にいいわよ?」
何かしらと、不思議に思いながらも引き受け、待ち合わせ時間と場所を決めると「じゃぁまた後ほど。楽しみにしておりますわね。」と、電話が切れた。
急にどうしたんだろうと考えながら、
まぁ、このままひとりで過ごすよりいいか、と気持ちを切り替えて、レストランを後にした。