第5章 誓い(前編)
そのまま家に帰るのも虚しいと感じ、マリューは駅の近くのレストランでお昼ごはんを食べていた。
それにしても、あんな急に用事があるからって放って帰ることないじゃない。
せっかくのデートだったのに..マリューはまたため息をつく。
幸せそうな挙式を見たあとだからこそ余計に悲しく感じる。
結婚かぁ..、ムウは考えてないわよね..。
ずっと憧れていた。
ムウとの結婚を夢見ていて、さっきみたいにみんなに祝福されながら、幸せな結婚式をあげれたら、と。
「ま、夢のまた夢よね、こんなんじゃ。」
そう小さく呟いたマリューは、ふと携帯が鳴っているのに気付いた。
携帯のディスプレイには、[ラクス・クライン]と表示されていた。