第1章 のろけ話
「マリューだって俺が他の女と二人きりだと嫌だよな。
俺さっき、キラとマリューがふたりでいるの見てむちゃくちゃ妬いた!もー本気で腹立った!!
だからさ、それがよーくわかったんだよ。
自分の恋人がどんな理由にせよ、異性とふたりきりでいたら不安になるんだって。」
「..うん。」
「マリューも妬いたの?」
嬉しそうに聞いてくるムウの顔を見れず、真っ赤になりながらマリューは頷いた。
「そか。あー、なんか嬉しい!」
「え?」
その言葉に驚きパッと顔をあげると、その瞬間、口付けされ、更に顔が赤くなる。
軽く触れられただけで体が熱くなり、彼から目が離せなくなった。
「だってそれだけマリューが俺のこと、好きでいてくれてるってことだもんな!
もー、超幸せ!!マリュー愛してるっ!」
「!!!!」
言葉にできないマリューを尻目にムウは満足気に笑う。
なんでこの人は、そんな恥ずかしい言葉を平気で言えるのだろうか。
でも嬉しくて顔が緩んでしまう。
「あ!でも、俺あのあとなんもなかったからな!
ずーっとマリューの話してたら、何か一方的にキレられちゃってさ、先に勝手に帰ってやがったし。
まだまだ馴れ初め話しようと思ったのによぉ?」
マリューは吹き出しそうになるのを堪えて、
「仕事しなさいよ」とムウの頭をはたいた。