• テキストサイズ

Sweet Love* Part3

第14章 *いじわるの原因 feat.宮地


好きな人こそいじめたい。

……知ってます、小学生男子の思考ってことくらい。

そしてあたしが、高校生女子だってことくらい。

しかも一応、今年度を終えたら卒業する身である。

「…おい、俺の赤ペンはどこやった」

「えー?どこでしょー?あたしじゃないよ?」

分かりやすい嘘を知らん顔でつくあたし。

疑問符をつけないあたり、今回はかなりお怒りなようだけど、しーらない。

「しょうがないなぁ、あたしのペンを貸してあげよう。」

「どこがだよ!どう考えてもお前のせいだろ!」

「貸してほしいのはこの金のペンか、それとも銀のペンか?」

「それ──っ!その左手の、お前曰く銀のペン!俺のだろ、返せ!」

「あ、こちら品切れとなっておりますー。」

「轢殺刺殺射殺毒殺撲殺爆殺絞殺溺殺焼殺電殺虐殺殺殺殺殺……」

周囲がドン引きするレベル(実際してる)で殺人用語を並べ立てると、怜悧な視線で射抜くようにあたしを見つめた。

そんな宮地を見て、あたしは一言。

「……ご、ごめんってば。」

あっさり謝ってしまった。

さすがに今のは怖い、ちょっとのきっかけで事件が起こりそうだ。

死亡フラグ設立を回避したあたしは、宮地に大人しくペンを渡す。

「…んだよ、そんなに怖いかよ。」

それなのに、宮地は何故か不満そうで。

「いや、いたずらは楽しいけど、死にたくはないし。」

「はぁ!?別に、本当に殺したりなんてしねぇよ!…その…っ」

かぁあ、と怒りとは別の意味で顔を真っ赤にした宮地は、小さく呟く。

「お前に絡まれんの…嫌いじゃ…ねぇし。」

初めて聞いた宮地の本音に、あたしは、悪戯な笑みを浮かべて見せた。


*いじわるの原因*

好きな人こそいじめたい。
あたしの性格にも問題はあるけど、
あなたのせいでもあるでしょ?
/ 92ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp