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Sweet Love* Part3

第9章 *小さな告白 feat.伊月


2年生になってから、クラスのある男子に必ず挨拶をされている。

今日も、あたしが教室で本を読んでると、部活の朝練を終えたあの人が、やっぱりあたしに話しかけてきた。

「遠野さん、おはよう。」

「…お、おはようございます…。」

あたしは人見知りで、まだクラス替えで出会ったばかりのこの人とは、あまり上手く話せない。

でも、彼…伊月くんは、必ずあたしにおはようって言うのです。

それも何でか、幸せそうに、それでいてはにかみながら。



最初は緊張していたものの、段々と慣れてきたある日。

あたしは、伊月くんに訊いてみようと思った。

「遠野さん。」

今日も伊月くんは、声のトーンを少し上げて声をかけてくれる。

「おはよう。」

「おはようございます。…あの、伊月くん。」

──何であなたは、あたしに話しかけようと思ったのですか?

ずっと疑問に思ってたこと。

それを口に出すだけで、何故か不安や期待で、胸がいっぱいになった。

周りは相変わらずなのに、あたし達の空気だけが、少し変わる。

でもそれは、重いものじゃなくって。



「遠野さんが…気になってるから、かな。」

何かの始まりを告げるような、彼の優しい言葉が、あたしの心を小さく揺らした。


*小さな告白*

まだ成長途中の、この気持ち。
でも、この気持ちが膨らんでいったら。
きっと、「好き」に変わるんです。
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