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第2章 READINESS


私は弓を取った。
正確には、弓だけでなく、ナイフも取った。

こっそり、矢の入る筒にナイフを入れたのだ。

そう言えば、今気づいたが服装がとてもぴっちりとしている。

ボディスーツのようだが、動きやすい。


「では、次に枕の下を見てください。」

枕の下!?
唐突な…
取り敢えず指示に従う。


枕の下を見てみると、私の携帯があった。
「ッ!連絡!パパとママに、ユウキに…」
「その携帯を使って、1人にだけ、別れを告げてください。制限時間は5分。5分経った時点で、携帯電話を強制終了させます。」


1人に…5分…

ユウキ…

私は迷わず、ユウキにかけた。
プルル…プルル…プルル…ガチャッ

出た!

「ユウキ!!ユウキ!」
「イチゴか!?大丈夫か!!」

愛しい人の声、心が落ち着く。

「私は、大丈夫。ユウキこそ、大丈夫?」
「俺は大丈夫だが、イチゴが、代表者に…」
「うん、なっちゃった…ね」
「…」
「…ねぇ、ユウキ」
「何だ?」
「ユウキは、誰に命を賭けるの?」
「まだわかんねえよ…そうやすやすと命なんて…」
「ユウキ、私に、賭けてくれない?」
「…は?」
「いや、無理強いはしないよ?!ユウキが決めていいけど」
「だってお前、人殺しなんて…」
「できるよ」
「!?」

「私、ユウキを愛してる。誰よりも何よりも。」
「私はそんなユウキを絶対に死なせたくない。」
「勿論最終決定はユウキがして。でも私は生き抜く。生き抜いて、ユウキともう一度キスをしたい」

「…」
「考えておいて。それと、パパとママに、元気でねって」
「イチゴ、俺は。」
「ユウキ、もう時間になっちゃう。」
「愛してる、ユウキ。誰よりも愛してる。」
「また、会おうね」

「イチゴ!俺も愛して」

ッツー、ツー…


ユウキは、私に賭ける。
間違いない、絶対に私に命を賭ける。

負けられない、絶対に。

どんな手を使ってでも、ユウキは私が救う!

武器の中に有った鋏で、セミロングの髪を切る。
ユウキは、ロングが好きだと言ったから伸ばしているこの髪。

ごめんね。

代わりに、ユウキの命を救うから。
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