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あわい夏の夢 番外編

第2章 三井寿との過去編…「約束」



くそっ!なんであんな素人なんかにっ!

俺はイライラしながら走り出した。

番外編:「約束」

バスケ部初日の練習。
馬鹿でかい赤木とかいうやつが俺の邪魔をしてくる。
シュートをしようとしても、俺の遥か上までジャンプして赤木は拒む。
周りのやつも赤木赤木って…。

チラリと体育館の入口を見るとまるで見つかりたくないようにコソコソと隠れながら見てるがいる。
かっこわりぃとこばっか見せてんな…。
これじゃ、バスマネなんかになってくれるわけねぇよな。
ふっと自傷的は笑がでる。
自分のなかで焦りが出てきた。

しかし俺の気持ちとは裏腹に練習は進んでいく。

「ふぬぅっ」
「くそっ」

また赤木がボールを叩き落とした。
俺の焦りとイライラは頂点に達しそうだ。

「三井くん!がんばって!」

「!」

聞き覚えのある声に振り向くと、が必死な顔をして、さっきまで見つからないように隠れてたくせに大声で俺を応援してる。
まわりのやつが彼女か?なんて冷やかしてるけど、今までの焦りとイライラが、すっと消えていった。
小暮にも気を使って声をかけてられて、このままじゃ俺かっこ悪いよな。

「負けねぇ!」

そう呟いて再開した練習試合に本気でぶつかる。
また赤木が邪魔してくるが、こっちはテクニックとスピードで勝負。見事赤木を抜けたと思ってシュートを決めようした瞬間、今まで味わったことのない足の痛みを感じ、床に転がり倒れた。


痛みでおかしくなりそうになって、どうなってるのかわからなかったが、俺は病院に運ばれたらしい。
先生の話では安静にしていれば治るとのことだった。
まだバスケ部に入ったらばっかなのに。安静になんてしてらんねー。
そう思っていたらが見舞いに来た。
正直かっこ悪いとこばっか見せたからあいにくかったんだが、あいつは俺の事をかっこいいだのなんだの褒めちぎった。まさかそんなに褒めてくれるとは思わなかったから、なんだかこそばゆい。
そしたらこいつはバスマネをやってもいいと言った。やるだろうとは思ってたけど、やっぱ嬉しい。早く怪我、治さないとな。
は全国に連れていくことを約束してほしいといった。そんなん当たり前だ。絶対連れてく。

俺とお前の大事な約束。
絶対守ってやる。


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