第1章 師団長と団長
「お邪魔します。」
「へ?エルヴィンさん?」
鍵の開く音がして
玄関へ向かうと、
鍵を持っているのは
家主であるナイルではなかった。
肝心のナイルは
エルヴィンの肩に腕を回し、
自力で立てずにいた。
「リオ。」
ナイルはリオの声に反応して
顔をあげる。
そして、
フラフラと今にも倒れそうな
おぼつかない足取りで
リオに倒れ込むように
全体重を乗せた。
もちろん支えられるはずもなく、
リオは倒れそうになったが、
エルヴィンの腕によって
それは免れた。
「すいません。」
あぁまたか。と、
ナイルの
酔いつぶれた様子を見て
自然とため息が出た。