第1章 エルヴィン・スミスの野望
「そうか・・・・わかった。
俺はおまえの野望に付き合おう、エルヴィン・スミス」
「死ぬかもしれないよ?」
「俺は今まで死んだように生きてきた。
今から死ぬ覚悟で生きていくのも悪くない。
それに・・・・」
「・・・それに?」
「ありのままの俺を認めてくれたのはおまえで二人目だ。
それだけで十分なんだ」
・・・例え、おまえが俺を利用したいだけだったとしても、
自分を偽らず生きていけるなら十分な対価だ。
そう言うとエルヴィンは「頼りにしてるよ、ミケ」と
子供らしい笑顔を向けた。
ミケは初めて『笑った』と思った。
強過ぎる眼差しに圧倒されていたが、
エルヴィン・スミスも自分と同い年の子供なのだ。
「ところで・・・・」
「うん?」
「俺が二人目って事は、一人目は誰なの?」
エルヴィンの問いにミケは微笑を浮かべ、さぁなと答える。
ミケの脳裏には覆面をした銀髪碧眼の人物が思い起こされたが、
どこの誰かなんて知らない。
でもいつかどこかで会えれば良いなとは思っていた。