第4章 エルヴィン・スミスは未来へ突き進む
まだ俺は団長じゃない。
よしんば団長になったとしてもどれだけ自由に動かせるものか・・・。
「せめて、拠点を一つでも作れれば話は変わるんだろうが
・・・巨人は一体でも脅威だ。対峙すれば死傷者が多く出てしまう」
「ならいっそ、戦わずに逃げ切ってしまった方が・・・・」
ミケの言葉に半ば自棄になって言葉を口に乗せた瞬間、
俺はハッとした。
何故今までその事に気づかなかったのだろうか?
真っ向勝負が出来ないなら、どう上手く逃げるかを考えれば良いのだ。
人間にはよく使う手段を何故巨人相手に使おうとしなかったのだろうか。
自分の愚かさに笑いが込み上げてくる。
急に笑い出した俺をミケとハンジは驚いた顔で見ていたが、
そんな事気にならなかった。
あぁ・・・君の言葉を今になって理解したよ。
『無駄な争いは避ける』
確かに最もな意見だ。
やはり俺には君が必要なんだ。
例え君が今誰かと結婚していたとしても、
俺は君を諦めきれないだろう。