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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第9章  少女の記憶「鬼」


不思議だった。

何が、と聞かれれば
顔が、と答えるけど

何千という年月を
生きてきた自分が、

元人間の少女を
【可愛い】
などと思うなんて──


「変な角」


少女との出会いは突然だった。

地獄に住んでいれば
亡者との出会いは常に
突然なのだけれど、

彼女の場合は特に鮮烈
……いや、むしろ
強烈な記憶となって
心の奥底に刻まれている。

「ねえ、変な角のおじさん。
どうしてそんなに耳が尖ってるの」

「は……?」

「変な牙も生えてるし
おっかしいの、ふふふ」
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