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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


「全部ワシのせいじゃ……!」

鬼灯と紗英を
別室に通した檎は
額を付けて謝った。

「ゴンさん……頭を上げなさい。
貴方のせいじゃありません」

滅多に人前で喫煙しない鬼灯が、

今宵ばかりは煙管を咥えて
険しい表情を作っている。

「たまたま鬼灯の旦那が
待合部屋におって下さったから
紗英ちゃんは助かったんじゃ。
ワシは危うく……お前さんを
傷もんにしちまう所じゃった」

檎はシュン、と
眉を下げて紗英を見つめる。

その瞳は今にも
泣き出してしまいそうだ。
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