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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第5章 【ジレンマ】


「また来るね」

ちゅ、と音を立てて
愛しい唇が離れていく。

いつものように軽いキスを
落として白澤様は去っていった。

のらりくらりと
千鳥足で歩く純白の背中が、

地獄の闇に溶けていく。

「……また来てくださいね」

蚊の鳴くような声で
そっと、そう告げて

私は妓楼の中へ戻ろうとした。


「紗英さん」


ビクリ
思わず心臓が跳ねる。

ぎこちない動きで振り向くと、

ベロンベロンになった閻魔様を
引きずって歩く鬼灯様と目が合った。
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