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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第21章 終幕



現世のある時
日本の何処か
病院の一室で──

「おぎゃあ おぎゃあ」

新たな生命が
産声を上げる。

「可愛い女の子ですよ」

喜びに満ちた
男女の話し声。

赤子の母は言う。

「名前はもう決めてあるの。
この子の名は……薺(ナズナ)」

赤子の父は笑った。

「ナズナ?雑草じゃないか」

「あら、雑草だって立派な
花を咲かせるのよ。それに、
薺の花言葉がとても素敵なの」

「ふうん?」

母は産まれたばかりの
我が子を愛おしそうに
見つめて、囁く。

「……貴方に全てを捧げます。
いつか、この子にもそんな
恋をして欲しいなって思って」

「気の早い奴だな」

「そうかしら?」

この上なく幸せそうな男女は
いつまでも、いつまでも
可愛い我が子の話題に
花を咲かせるのであった。





【鬼灯の冷徹】
雑草ノ花___了
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