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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─
第19章 ワカレノウタ
恋なんて
愛なんて
そんな不確かなもの──……
誰かが、僕から
離れていくのは
もう懲り懲りなんだ。
(いや……誰か、じゃないね)
それは僕自身が
一番よく分かってる。
幾千の女の子に愛されても
億万の女の子に振られても
「……紗英」
君が離れていくのだけは
どうしても怖かったんだ。
だからと言って、君を
傷付けていいことには
ならないのだけれど。
(僕は臆病者だな)
ぼんやり辺りを見やると
遠くの方で地獄の業火が
ユラユラ、揺らめいていた。
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