第17章 【純情ロマンチック】
「ああっ……ん」
やっとご褒美を貰えた
紗英の中は悦んで
鬼灯を締め付けていく。
出し入れするのが
苦しい程の圧迫感に
さすがの鬼灯も、
「……っき、つい」
普段の鉄面皮を崩して
艶のある声を出した。
実のところ情事に及ぶのが
久々である鬼灯は、胸中で
(長く持ちそうにないな)
そんな薄い自嘲を浮かべる。
「……動きますよ」
陰茎を全て挿れ込んだ鬼灯は
紗英が首を縦に振るのを
待ってから抜き差しを始めた。
「ああ、ん……っ」
快楽の渦へと堕ちていく
愛しい女の姿を見て、
男はえも言われぬ昂揚感に
その身を震わせる。