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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第16章 【ティファニーで夕食を】


「……鬼灯様?」

白い頬を赤に染めている
彼の名を呼んでみると、
鬼灯様は照れた様子で言った。

「貴女と居るとつい
素が出ちゃいますね」

ほんの数秒だったと思う。

気恥ずかしい沈黙が
私達の間を流れていって、
それから──……

「ひゃあっ!」

突然蜜口を弄られた私は
素っ頓狂な悲鳴を上げた。

「なっ……いきなり
何し、て……ああっ」

「いやホラ。なんか
恥ずかしかったんで」

鬼灯様は手を休めることなく
大真面目な顔で言ってのける。

その愛撫は先程までの
優しいものとは違い、

まるでイタズラをする
子供のような眼で
彼は指を動かした。
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