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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─
第15章 出発前夜
【閻魔殿】
地獄を統べる閻魔大王が
亡者を裁く裁判所にして、
大王や鬼灯など閻魔庁の
お偉いさんが住む場所でもある。
暗く長い廊下の突き当たり。
酸漿(ホオズキ)の紋が浮かぶ
ドアの先に鬼灯の自室はあった。
「あの……!」
コン、コン
恐る恐るドアをノックして
紗英はか細い声を出した。
その腕には、あの日
鬼灯が残していった
紋羽織が抱かれている。
ガチャリと音がして
ゆっくりと開かれる
鮮やかな酸漿の描かれたドア。
「え……紗英、さん?」
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