第2章 2.君は
「まあ、そう言うわけだ」
「へええ……」
いつの間にか聞き入っていたが、よくよく考えると内容がファンタジーすぎる。まさか現実、それも、科学が飛び交う現代社会にそんなことがあり得るのか?
「科学的におかしい」
「またヒデー言いようだな」
しょぼんとされてしまった。実際自分でも酷いいいようだと思う。
「まあ、俺たちはOuter Scienceな存在だからな、仕方ない」
「あうたーさいえんす?」
「科学の外側」
「なるほど」
存在そのものが科学全否定だった。考えるだけ無駄だと結論し、改めて相手が常識の通用しない相手だと思い直す。
「ああそれと、お前と俺の関係についてだけど、一応保護者ってことになってるから、そこんとこよろしく」
「……はあ」
保護者、ね……。戸籍とかその辺りどうなってるのか気になったけれど、まあ、深く考えるだけで無駄だろうな。
「……生活費は?」
「俺の分は女王から振り込まれるから」
「女王仕事してるの?」
「女王は過去にしてたってほうが正しいな、俺は昼は女王の手伝いをして、その分給金を貰う感じ」
「へえ……」
仕事の内容は分からないが妙に生活感の溢れる話だった。
「とにかく、そう言うことだから。これからヨロシク、アヤメ」
「はあ、よろしく……」
こうして、私と彼の共同生活は、始まったのであった。
「ところで私、まだ自己紹介してないけど」
「女王に聞いたから」
「あ、そう……」