第5章 お願い
「ほら、もっと…。ちゃんとやって」
彼が私の指ごと、そこを舌で濡らす。
あっ…気持ちいい…けど…
「あん…やだ…。そんなに見られてたら出来ない」
「ん…じゃあ、ここ見られてるのと、顔見られてるのとどっちがいい?」
「え…えぇ…?」
どっちも恥ずかしいよう。
「ねぇ、どっち?」
「えっと…顔…」
「ふふ…そっか」
彼は身体を起こして、私の顔を、上からじっと見る。
「ちゃんとやるんだよ?」
「う…うん…」
やっぱ恥ずかしい…。
私は目を閉じて、指を動かす。
「あ…」
なんか…少し動かすと、気持ちいい波が急に来る。
見られてるからってわけじゃないと思うけど…そうなのかな…。
考えると余計恥ずかしくなっちゃう。
「目を開けて欲しいなぁ…」
私の頬に手をあてて、彼が言う。
私はそっと目を開ける。
じっと私の顔を見てる彼と目があう。
恥ずかしい…。
私は目をそらして、横を向く。
「恥ずかしいの? 可愛い」
彼は私の耳を、そっとパクッてする。
そして、はむはむする。
彼の熱い息が私の耳にかかる。
「やっ…! やぁん…」
ああん、そんなの下に響くぅ…。
「気持ちいい…?」
彼の声が耳もとでささやく。
「きっ…気持ちい…」
「どっちが?」
「ああん…両方…」