第4章 退屈
日曜日、今日は真司とデート。
お昼前に待ち合わせして、一緒に昼食を食べる。
今日は、ハワイのハンバーガーのお店。
ここに来てみたくて、ターミナル駅のショッピングモールまで来たの。
「パイナップルかアボカドか悩むなぁ…」
メニュー表の前で私は考える。
「えー…パイナップルとか…ないだろ…」
意外と保守的な彼。
「じゃあ、パイナップルにしよ」
私は笑顔で答える。
…
今日はハンバーガーを食べるのが一番の目的だったから、後は適当にブラブラする。
大きな本屋さんで別行動。
私はファッション誌を立ち読みしてから、少女漫画のコーナーを物色。
彼は…何見てるんだろ? わかんない。
「なんかいいのあった?」
試し読みの冊子を眺めてると、真司に声をかけられる。
「いいのはいろいろあるよ。でも見てるだけ」
「僕も。いるだけで楽しいよね。書店は」
「ねぇ、このポップ見て。これが壁ドンだよ。真司知りたがってたよね」
「あぁ…へぇ…」
「今度、してくれる」
「しないよ」
彼はクスクス笑う。私も。
…
「はぁ…退屈」
「そうだねぇ」
私たちはベンチに座って、なんとなく過ごす。
「来週は何する?」
彼が私に尋ねる。
「んー…天気だったら、ピクニックしようか。緑地公園、自転車乗って」
私はちょっと考えて答える。
「いいね。また、お弁当作ってくれる?」
「いいよ。何、入れる?」
「玉子焼きと唐揚げ!」
「真司、それだけあればいいんでしょ」
「おにぎりもいる!」
夕方までずっとおしゃべりして過ごす。
退屈だけど、すごく楽しい。