第3章 愛
「はぁ…はぁ…」
「みなみ…気持ちよかった…?」
「なんか…すごすぎて…よくわかんない…」
ふわふわした意識の中で、私は答える。
「そんなにすごかったの…?」
彼が私の身体を仰向けにして、ぎゅっと抱く。
あ…わたしの身体、ちゃんとある…。
私も彼の背中に手をまわす。
力が入らなくて、ぎゅっと出来ない。
「僕も…気持ちよかった…すごく」
「うれしい…」
「チューする?」
「ちょっとだけ…」
彼が私の唇に、チュー…ってキスする。
そして、首をかしげて問いかける。
「これくらい?」
「うん…ふふっ」
私は頷いて、ちょっと笑う。
「今日はこれからどうしたい?」
いつものように、彼が私に尋ねる。
「えっとね…今日は、帰る時間までずっとベッドでこうしてたい」
「うん。よしよし」
彼が私の頭をなでなでする。
…
「真司、わたしのどこが好き?」
彼の腕に抱かれて、甘えながら、私は問いかける。
「全部だよ。僕はみなみのすべてを愛してる」
「ふふ…」
「みなみは? 僕のどこが好き?」
「忘れちゃった」
「そっか」
私と真司は顔を見合わせて笑った。