第29章 第二十九章
貴女side
貴女「楽しかったね」
赤「あぁ久しぶりにスリルのある試合だった」
貴女「そうだね…私もとても楽しかった。テツヤ達が思い出させたかったことが今分かった気がする…」
そう、みんなでもう一度ぶつかり合うことで分かりあうことが出来た。
でも私の考えは変わらない…
“勝つことが全て”ということは…
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桃「いい?」
貴女「さつき…征君行ってくるね」
赤「あぁ」
控室を出てさつきのもとへ向かった。
外…
桃「あーあ負けちゃった。やっぱり強いなー私頑張ったんだけど…やっぱり今回の試合もつまらなかった?」
貴女「ううん。つまらなくなかったむしろ楽しかったありがとう。少し分かったよさつき達が私達に伝えようとしてたことが…ありがとう」
桃「…!」
貴女「沢山すれ違っちゃったけど…だけど…気づかせてくれてありがとう…私…みんなに酷いことを…」
あぁダメだ。
涙が…
酷いこと…沢山言った…考えれば考えるほど沢山出てくる…
ギュ
貴女「!」
桃「泣かないで…。もう過ぎたことだよ。今からでも遅くないよ。もう一度みんなでやろうバスケ…
あの頃みたいに…つまらないって思う時もこれから沢山あるかもしれないでも…今日のことを思い出して楽しいって思えることもあるってそう思って…
…私ね気づかせることが出来て良かったって思う」
貴女「さつき…ありがとう…ありがとう」
何故か分からないけれど涙がしばらく止まらなかった。