• テキストサイズ

薄桜鬼 群青桜

第4章 鬼


土方「まあ、そのことについてはまたおいおい聞かせてもらうとしてもだ。千月、昨日の騒ぎはどういうことだ。それについては言い逃れは許さんぞ。」

千月「昨日話した通りです。奴は未来へ帰る重要な情報を持っていると思い、話を伺った。それだけです。」

土方「何故あいつがそんなことを知っていると思った。」

流石に鬼だから、とは言えない。
結果的に全てを教えることになってしまうだろうからな。
私は羅刹という言葉を使用し、説明した。

千月「現在羅刹の存在を知るのは新選組の一部の幹部、そして幕府。それだけのはずです。が、あの風間という男は並の人とは思えぬ様な治癒力と運動能力を持っていました。さらに、その場に落ちていた髪は銀髪でした。」

土方「絶対に関わり様がない外部の者に羅刹がいる、か。」

千月「私の元の時代において羅刹、及び変若水は危険な薬物として誰もが知っている一般常識です。」

平助「じゃあお前と一緒に未来から来た颯太って奴が変若水の存在を漏らしたって事かよ。それってかなりまずいんじゃねぇの?」

土方「その話を聞いた奴が何らかの方法で変若水を手に入れ羅刹となった。って事か。」

沖田「もしそうだとしたらあいつが飲んだ変若水は完全なものだったってことになりますよ。理性がありましたし。」

千月「私も皆さんと同じ考えです。その為、奴は何らかの情報を持っているのではないかと。実際、収穫がありました。近々私は離隊を申し出るかもしれません。」

土方「そうだと思った。だが、この短期間で幹部が抜けるのに俺らが『はいそうですか。』で終われないのも事実。まだ残る気があるのならまだ離隊する時じゃねぇ。」

千月「もちろんそのつもりです。まずは裏が取れてから考えます。この隊にいることで情報が手に入ったのですからこの都合の良い立場を簡単に辞める事は出来ません。」

この池田屋事件では私にとっても有力な情報を得る機会となった。
颯太の居場所も目処が立ったのは大きな収穫だったが、今後の動きで私は選択を迫られるのだった。
/ 322ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp