第4章 鬼
市中を割くように走る。
池田屋に向かったのはたったの10名。急がねば。
山崎「桜時くんと言ったな。もし浪士と遭遇した場合はその場は俺に任せて四国屋へ向かってくれ。」
千月「わかりました。」
浪士というのは単純な様で。
その言葉通り、私達は浪士と遭遇した。
山崎「新選組屯所に何か御用ですか?」
浪士「あ、いや…何でも御座らん。」
山崎「桜時くん、奴らが刀を抜いたら四国屋へ向かってくれ。」
やはりこいつらは屯所を襲おうと狙って来た輩の様で。
刀を抜き、襲いかかって来た。
その瞬間を見定め、私は四国屋へと走り出した。
後ろで刀の重なる音がする。
きっと池田屋ではここより大きな音が響いているだろう。
急がねば。
その思いだけが私の足を動かした。