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薄桜鬼 群青桜

第3章 左腕


土方「理由を聞こう。」

千月「歴史が変わることを恐れてのことです。過去が変われば当然未来も変わる。本来時というものは変えてはいけないもの。残念ながら私が来たことで幾つか変わってしまった事項もありますがこれ以上の改ざんは危険と言わざるを得ません。」

原田「成る程な。確かにそれを考えたら教える訳にはいかねぇだろうな。」

近藤「その今現在で変わった事項ということだけでも教えていただけないかな。」

千月「私が新選組に加入したこと、11番組が出来たこと。大きな改ざんはこの2点でしょうか。」

平助「確かに千月が加入しなきゃ11番組は出来なかっただろうしな。」

千月「新選組に入った以上、私はこの隊の為に動く義務があります。しかしそれ以前に私は未来人。未来を守らねばならぬ義務もまたあります。」

近藤「我々に言えぬことがあるのはわかった。しかし、もし仮に我々が敗北してしまう戦があるとして、君はその結果を知りながら戦うことになるだろう。それは君にとって辛いものではないのか。」

千月「私はたとえ負け戦でも隊の為に尽くすのみです。」

土方「いい心構えだ。」

負け戦。聞こえは悪いがそんな戦争があるのも事実。その場の対応ではボロが出てしまうだろうしな。

千月「私が要求したいのは2つ。1つは今後の事を詮索しないこと。もう1つは私は人を殺さない。その行為を認めること。」

私は本来ここにいてはいけない存在。つまり、私がむやみに人を殺すことで大きな改ざんを生んでしまうかもしれない。それは防がなくては。

土方「殺さないとはどういうことだ。そんなことでどう戦をするというか。」

千月「私が誰かを殺すことで歴史が変わっては本末転倒。動けない程度の致命傷は狙うが、殺すことは絶対にあり得ない。」

平助「仕方ねぇんじゃないか?千月には千月の事情があるんだし、あんまこっちの決まりで縛っても動きづらいだろうし。」

近藤「そうだな。わかった。君の要求を呑もう。」

永倉「ま、しゃーねーだろ。俺たちには理解出来ない深い事情があるんだしな。」

原田「いろいろ調節しねぇといけねぇ千月が一番大変だろうからな。ま、俺達なりに支えてやるさ。」

私はこれから一掃気を配らねばな。

大切な事を話しながら私はこの隊の人達の頼もしさを知る。

そして。
事件はもうすぐそこに迫っていた。
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