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道化師恐怖症。

第17章 五線譜の上で踊りましょう





なかなか私に近づいてくれない
ツンツンしてる赤也

もうちょっとベタベタしてくると
思ったんだけどなぁ

…あ!分かった
照れてるんだ

それならエリナから
積極的にいってあげる


「赤也ぁ!お疲れ様」

「…ども」


エリナがドリンクとタオルを
渡すと、赤也は
こちらを見ずに受け取った

やっぱり照れてる!
かぁわいい!!


「赤也のさっきのサーブ
かっこ良かったなぁ」

「そッスか」

「うん!
ちょーやばかったー!」


可愛い子が褒めてくれたら
皆、嬉しいでしょ?

ほら赤也も顔を赤く…

あれ?


「あの、ちょっといいッスか」

「え?なぁに?」

「悪いんスけど…
名前で呼ばないでください」

「…え?」


もしかしたら急に
告白!?やだ大胆!!

なんて思いながら赤也を見ると
彼は今までにないくらい
冷たくて怖い目をしてた

そして有り得ない言葉

何を言ってるの?


「俺、好きでもない奴に
名前呼ばれたくないんですよね」

「え?え?」

「じゃ、コート空いたんで」


その場を去る赤也に
私は何も言えなかった


好きでもない奴に

名前呼ばれたくない?


何言ってるの?
エリナはお姫様だよ?
ヒロインだよ?

好きになるでしょ?
好きになって当然でしょ?

こんなに可愛い私が
名前で呼んであげてるのに

嫌いだから
名前で呼ぶな?


なにそれ

なにそれなにそれなにそれ!!


おかしい!
だってエリナはお姫様!
神様に唯一認めてもらえた
誰にでも愛される
可愛い可愛いお姫様なの!!

なのに、なのに、なのに…


「エリナ、どした?」

「…あぁブン太。
なんでもないよ?」

「赤也となに話してたんだよぃ」

「大した事じゃないよぉ」


ブン太はすぐ嫉妬する

最近それがちょっとだけ
ウザかったりするんだよね

まぁイケメンだから
許せちゃうけど!


「あいつって如月と
仲良いらしいんだよな」

「…へ?」

「2人で話してんの見たぜ?
赤也楽しそーだったし」


…もう、嫌

なんでモブに
あんな地味なブスに
邪魔されなきゃいけないの


ふふっ
エリナの敵になったら
怖いって事教えてあげなくちゃ

待っててね?

如月さん








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