第17章 五線譜の上で踊りましょう
私は転校生という形で
立海に入学した
クラスは3年B組
ブン太と雅治がいる!
これはフラグってやつね
きっと彼等は
すぐエリナの虜になるわ
だってこんなに可愛いんだもの
「よし、入ってきていいぞ」
先生の言葉で
教室に足を踏み入れる
教卓の前に立ち
軽く教室内を見回した
…やっぱりエリナに敵うような
美人や可愛い子はいない
地味な顔ばかり!
「はじめまして。
西崎エリナです。
人と喋ったりするの
苦手なんですけど…。
よろしくお願いします」
私の可愛い声が教室内に響く
本当はもっと積極的に
話したいんだけど…
あんまりやると
ミーハーだって思われちゃうから
気をつけないと!
「席はーそうだな。
仁王の横でいいか」
先生がそう言った瞬間
私は喜びのあまり叫ぶのを
必死に堪えた
雅治の隣だなんて…
ヒロインの特権よね
迷わずその銀髪に近づく
後ろにはブン太もいるし…
もう最高!!
「よろしくね、仁王くん」
私がニコリと笑うと
雅治の頬がピンク色に染まる
照れてるんだ!
可愛い!
「あぁ。仲良くしたいのぉ」
雅治が仲良くしたいだって!
そんなに仲良くしたいなら
してあげるに決まってるじゃない
だってエリナはヒロインですもの!
「俺、丸井ブン太ってんだ!
シクヨロ!」
「うん!よろしく」
ブン太も私に首ったけらしい
だってほら、ガムまで差し出して
もう貢いでくれてるの?
エリナ嬉しい!
クラス中の女の視線が
こちらへ集まってる
ふふ、悔しいんでしょ?
自分達がブスだから!
雅治やブン太を取られて!
そんなのそんな顔に産んだ
親を恨みなさいよ
エリナの顔がいくら
羨ましいからって嫉妬なんて
醜いったらありゃしない
エリナは神様に愛されたから
こんなに可愛いのよ!
…そういえば
あの変な空間にいた人
あの人誰だったんだろ