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道化師恐怖症。

第2章 夜なのに太陽が顔を出した




「転校生を紹介するから
席につけー」


担任のハゲ頭が
声を上げながら入ってきた

騒がしかった教室は
だんだんと静まり返る


みんな転校生が楽しみな様子

特に女子の目は厳しい

ミーハーが来ないか
不安を感じてるんだと思う


アンタらも大概ミーハーだよね

同族嫌悪?
この場合ちょっと違うか

自分はミーハーじゃない!って
思ってるんだから


「よし、入ってきていいぞ」


ガラリと開く扉

緊張感がピークになる教室


入ってきた女の子は
それはもう不思議な子だった

何が不思議か?

まずは髪の色

茶色に近いピンク色
ピンクベージュとかいうやつだ

絶対地毛じゃないよね
転校でテンション上がって
染めちゃったのかな?

しかも巻いてるし


目の色も異常だよ

これまたピンク
本当にピンク

黒っぽくしようとか
目立たないようにしようとか
そんな考えは全く無いみたい


スカートも短いし
制服も軽く着崩してる

あ、足は中々細い


流石にメイクはそこまで
してなく感じるけど…

顔が可愛いからかな


さーて性格が楽しみだ
まぁまともな感じでは無いわな


「初めまして。
西崎エリナです。
人と喋ったりするの苦手なんですけど…。
よろしくお願いします」


吹いた
正確には吹きそうになった

だって、さ

そ の 見 た 目 で
人 と 喋 る の 苦 手 ?

え、馬鹿なの?
じゃあもっと大人しい格好選ぼうよ


いやー西崎さん面白いねぇ

いや、でも本当に
人と喋るの苦手なのかも

緊張しすぎて
こんな格好を…みたいな?
多分無いけど


だって、女子の皆さんの
目が怖いよ?

完全に敵視されてんじゃない?
その格好のせいで


チラリとテニス部員である
仁王くんと丸井くんの方を見る

さて、どんな表情かな?

面倒そうな奴がきたと
愕然とした表情?

それとも美人がきたと
笑みを浮かべる?


皆は前者だと思うだろう

私もそう思った


だけど、テニス部も
やはり〝男〟だったのだ

その顔は

頬を赤く染め
まるで恋をする乙女


2人共全く同じ顔なもんだから
また吹きそうになった


…テニス部もただの男子中学生か

ちょっとガッカリ

でも、これはこれで
面白いかもね






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