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道化師恐怖症。

第6章 甘い紅茶にアルコールを一滴




レギュラー唯一の2年生である
切原くんがよく分からないのが
私的には引っかかっている


切原くんの特徴はマイペースで
明るくひょうきんな性格

…が、その反面
とても情熱的で感情が高ぶると
自我を抑えられなくなる


そんな彼が
よく分からない、という

暴力を振るほど
金坂さんに憎悪も無いし
西崎さんに興味も無いって
ことなのかなぁ


うん、彼は少し難しい

一回逃げられてるしね

私本当にあの子に
なにしちゃったんだろ?

嫌われてたら睨まれるぐらい
されると思うからな…
後々分かるだろうか

今は重要な事では無いと
私は切原くんにどう思われてるか
という考えを置いておく




やって参りました 部活タイム

テニス部のを見に行きたいけれど
ファンクラブの総溜まり

騒がしく耳触りな歓声が飛び交う
所になんて行きたくない

出来れば近づきたくないと
いうやつだ


と、いうわけで
今日も真っ直ぐ帰ろうかな

飴ちゃんでも食べながら


鞄の中をガサゴソと探る

…が、飴ちゃんの袋がない

は?ちょっと待って
なんで無い

今朝買ったばかりの
この辺のコンビニにしかない
限定品のちょっとお高い飴ちゃん

色んなスイーツの味が
コンセプトのちょっと変わったもの

まだ2つしか食べてない!

ショートケーキ味と
ガトーショコラ味しか
食べてないのに!!

鞄の中に入れっぱなしだったから
落としたなんて事はない

ちゃんとクリップつけてるのに!
名前記入で!


あぁもう最悪

仕方ない
もう一度コンビニに寄るかな…


「ねぇ蒼!」

「…え?
どうしたの、みぃちゃん」


急に大声を上げて
私を呼ぶみぃちゃん

もうショックが大きすぎて
反応すら遅れるよ


「この飴って蒼のでしょ!?」

「…っあ!!」


みぃちゃんが右手に持ってる
スイーツ キャンディーと
可愛らしく描かれたイラスト付きの袋

シンプルな青のクリップに
小さく名前が書いてある

まぎれもなく私の物だ


「そ、それどこにあったの!?」

「…中庭」

「は?」


中庭?

なんで中庭に
私の飴ちゃんが落ちてるの?


「丁度ここの真下くらい」


みぃちゃんはそう言って
窓を指差す

…あぁ、そういうこと






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