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道化師恐怖症。

第4章 夕日って青色だったっけ


もう放課後になってしまった

楽しい事があると
時間が経つのが早く感じられる

西崎さんはテニス部のマネージャー
やるのかな?

そんなにスグは入れないか


そういえば昼休みは
金坂さんのおかげで
欲かったパンが買えなかった

食べたかったなぁ…
チョコチップメロンパン

人気のパンだから
早く無くなるのは
仕方ない事なんだけどさ

食べたかった

そんな欲求を抑えるように
桃の飴ちゃんを口の中に放り込む

甘くてとろけそう


そういえば今日は
買い物があるんだった

みぃちゃんに自分で言っといて
忘れてたよ

さっさと行かないと

ファンクラブの人達が
集まってきちゃう


「じゃあね!みぃちゃん」

「また明日ね、蒼」


鞄を背負い
教室を出て玄関に向かう


今日、早く帰ろうと決めて
本当に良かったと思う

玄関には丁度
西崎さんが困ったように
キョロキョロとしていた


わ、まさかの出会いですよ

話しかけてみようかね


「西崎さん、どうかしたの?」

「え、あ、…
如月さん!」

「わ、覚えててくれたんだ!
嬉しいなぁ」


警戒心を感じさせないように
笑いながら話す

私より背が高い西崎さんと
話すためには見上げなくては
ならなくて辛い

けど、我慢我慢


「それで、どうかしたの?」

「あのね、ブン太くんと雅治くんに
部活見学に誘われたんだけど…」

「もしかしてテニスコートが
分からないの?」

「そう!そうなの」


仲がいい人がまだ出来てなくて
聞けなくて…と溜息をつく西崎さん

仲がいい人なんて
作るつもりなくせにー
変な事言うなぁ

買い物なんて時間使わないし
これはチャンスではないか

是非是非案内しよう


「私で良かったら
案内してあげるよ!」

「ほんと!?いいの?」

「うん!特に用事もないし」


いや、あるけど
大した用事ではない


「じゃあお願いします」

「構わないよ。
こっちこっち」


ここからテニスコートって
結構離れてるんだよなぁ

あ、でもテニスコートなら
ファンクラブの女の子達で
わんさか溢れかえってるに違いない

そこにこの子を連れていけば…

これから起きることを
想像するとワクワクする

なんて今日は良い日なんだ



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