第1章 出会い
それからどれくらい眠っていただろう。
目を覚ますと12時前で、入学式はとっくに終わっている時間だ。
携帯には受信メールがあり、八尋からだった。
『教室で待ってるね』
「………………」
受信してから一時間近く経っている。
一瞬このまま帰ろうかとも考えたが、八尋なら一時間くらい待っていそうだと思い教室へ向かう。
硬いコンクリートの上で寝ていたせいで、背中が少し痛かった。
校内には部活をやっている生徒以外は帰宅しており、こんな日まで部活があるのかとため息をつく。
まだうろ覚えの頭で教室までなんとかたどり着き扉を開けると、案の定机に腰掛けて待っていた八尋が振り返って笑顔を見せた。
「燈斗くん!もう帰ったかと思った」
「寝てた」
「燈斗くんらしいね」
一時間も待たされたというのに八尋は怒ることもせずヘラヘラと笑っている。
理由を尋ねると「自分が勝手に待っていただけだから」と答えた。
「どこで寝てたの?」
「……屋上」
「わ、気持ち良さそう」
「背中が痛い」
「コンクリートだもんね。次からはクッションを敷いて寝ればいいんじゃない?」
「アホか」
他愛ない話をしていると、ふと屋上で会った少女のことを思い出した。
「…………そういえば、変な女にあった」
「変な女?」
八尋が首を傾げる。