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トワイライトメモリー 【白】

第1章 出会い


「寝る場所探してくる」

ハナから入学式などに参加する気がなかった俺は、早速二人と別れて校内をぶらついた。

と言っても今日が登校初日なため、どこにどの教室があるのかなどわかるはずもない。
とりあえず安眠するためには滅多に人の来ない、静かな場所が一番だ。
そう考えるとやはり1つしか思い付く場所がなかった。



***


目的の場所──────屋上にたどり着き、ゆっくりとドアノブを回す。
鍵が空いているか心配だったがそれは杞憂に終わったようで、扉は思いの外あっさり開いた。

屋上に出ると暖かい日差しと心地の良い風が吹いてくる。
やはりここは真ん中に大の字で寝るのがいいだろうか、
そんなくだらないことが一瞬頭をよぎって、そして。


俺は屋上に人がいることに気づいた。


「───?」

屋上の隅っこで、壁にもたれかかって少女が眠っている。
起こさないよう足音を消して近づくと、小さな寝息が聞こえてきた。

思わずまじまじと少女の寝顔を見つめてしまう。
思えば女子からは恐がられることがほとんどだったため、こんなに近くで異性の顔を眺めたのは久しぶりだった。

長い睫毛に雪のように白い肌。
胸元まで伸びたクリーム色の髪は春風になびいている。

綺麗だ、と思った。

寝顔だからかはわからないが、顔立ちを見ると随分幼く見える。
シワのない新品の制服を着ているということは、同じ一年だろうか。
しかしならどうしてこんなところにいるんだ、今頃体育館で入学式が───

そこまで考えて、小さくため息をついた。

自分もこうしてサボりに来ているのだから、人のことは言えない。

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