第2章 白雪姫
「その二人についたあだ名が『白雪姫』と『黒雪姫』」
「……おとぎ話かよ」
「まぁ、普通はそんなあだ名で呼んだりしないよね。
誰が付けたのかもわかんないし。
でも本人を見ればわかるよ、なんとなく」
八尋は苦笑しながらも説明を続けた。
「夜神さんは凛としてて、お姫様っていうより女王様って感じなんだけどね。
成績は優秀だし、運動もできるし、非の打ち所がない完璧超人ってやつ。
実際に話したことはないけど、すごくクールで人を寄せ付けない人だよ」
なのに人気者なのか。
矛盾する八尋の説明に、少し眉をひそめた。
「その夜神ってやつが、」
「黒雪姫さん」
つまりもう一人のやつ…………
椎名真琴が白雪姫か。
ややこしいな………
「逆に椎名さんは、すごく大人しい子だよ。
滅多に喋らないし笑わないし、儚げな印象が強い子かな。
だからこそたまに見せる笑顔がすごく魅力的で、守ってあげたくなる子。
夜神さんとは全くタイプの違う女の子だよ」
白雪姫と黒雪姫。
同じ学年なのに、全くそんな噂は聞いたことがなかった。
そもそも1日に会話をするやつなど、教師かここにいる二人に限られている。
初耳なのも仕方がない。