第14章 熱
貴文たちに見送られ、俺たちは飛行機でカナダへと帰還していた。
だが、隼人の顔色が悪い。
「おい、大丈夫か?」
「え…?何が…?」
「体調悪そう」
隼人は「あぁー…」と呟き俺に笑って見せた。
「大丈夫大丈夫。心配しないでいーよー」
いや、明らかにテンション可笑しいだろ。
手を、隼人の額にあてがう。
熱い…。
自分のと比べてみても、断然隼人の方が熱い。
「お前、熱あるぞ」
何処から貰って来たんだ。
どうしよう、今熱冷まシート何て持ってないし、ましてや体温計も…。
とりあえず暖かくしておいた方が…。
そう思い、カバンから予備として持ってきていたコートを取り出そうとした時。
隼人に手を掴まれた。