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ツンデレと腹黒のそれから

第12章 報告


空が見事なグラデーションに彩られ、幻想的な情景をかもしだしている。

あぁ、癒される…。

など、呑気なことも言っていられない。

何せここ墓地だから。

ヤバいって、あともう少しで日が暮れる!

早く、早く来てくれ…。


「よー、お待たせ」


いつもの調子で手を振ってやって来た隼人。


「遅い!集合時間10分も遅れてる!」


携帯の画面をつきつけ言う。

隼人は「悪い悪い」とは言っているが実際そんなことは思っていない。

俺はこれ以上責めるのを諦め、さっさと墓参りしてしまおうと考え歩き出した。

確か、ここら辺だった筈…。


「あ、あった」


ひとつの墓の前で立ち止まる。

早速、買ってきた蝋燭と線香に火を付けた。

ここには、父さんと母さんが眠っている。

手を合わせ、目を閉じた。

父さん、母さん、俺今、カナダに居るんだ。

隼人と一緒に。

大変な事もあったけど、凄く楽しいよ。

だから、心配しなくていいからな。

それだけ報告し、目を開けた。


「じゃあ行くか」


そう言った時、隼人に腕を掴まれた。


「ど、どうした…?」

「まだ、あとひとつ、報告してないだろ」

「え……?」


手を引かれ、隼人の腕の中におさまる。

隼人は困惑する俺の唇を塞いだ。
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