第9章 本当の繋がり
随分と、久し振りな感じがする。
カナダの街を歩きながら、そう思った。
隼人は、元気だろうか。
まぁもしかしたら、もう既に新しい相手を見つけているかも知れない。
何だか、会いたくないな…。
ため息をつき、この1ヶ月間の報告をするために会社へと向かった。
報告が終わり、係の人たちと色々話をした。
出会った人や食べたモノ、行ったところなど、言わばお土産話だ。
本当のお土産も手渡し、会話に花を咲かせていた。
「タカヤ、今日は帰ってゆっくり休めって、部長が」
係長にそう言われ、色々お礼を言って帰ろうとした時。
「あぁ、タカヤくん待って!」
息を切らしてやってきたのは、隼人と同じ係の人だった。
「どうかしたんですか?」
「じ、実は…」
「は?」