第8章 大喧嘩
2日後。
俺はオーストラリアへ飛んだ。
あれから、隼人とは会っていない。
いや、お互い会わない様にしていたのだ。
今日だって、見送りは係の人たちだけ。
隼人の姿はなかった。
別に、寂しいとかは思ってない。
でも、焦りは感じていた。
早く謝りたい。
早く、仲直りがしたい。
だけど、そんな気持ちとは裏腹に、あいつと会うのを拒否していた。
会ったらまた喧嘩をしてしまいそうで…。
今度こそ、別れてしまうかもな。
そうなれば、俺たちはどうなるんだろう。
普通に過ごせるだろうか。
笑えるだろうか…。
あいつは、直ぐに立ち直るんだろうな。
そして隣に、また違う人が…。
「タカヤさん?」
我に返り、声のした方を向く。
「もうすぐで打ち合わせの時間ですよ」
「あ、はい、ありがとうございます」
手に持っていたカップに入った珈琲を飲み干し、席を立った。