第19章 愛してる…。
今日はクリスマス。
もともと、隼人と食事の約束をしてた日だ。
だけど、今は別れてるからそんなの関係ない。
そう、関係ないんだ。
つか、朝から職場が騒がしい。
何か、空気が重たいと言うか何と言うか…。
隼人の姿も見えないし。
何かあったのかな。
って、俺はあいつのこと気にしすぎだって。
もういいだろ、あいつのことなんか…。
とりあえず、何で騒いでるのか聞いてみるか。
「あの、何かあったんですか?」
同じ係……ではない人に聞いてみる。
あ、この人…。
隼人の浮気相手だ。
「え、知らないの?……ハヤトくん、通り魔に刺されたんだって」
………え?
聞き間違えかと思った。
もう一度聞いてみても、同じ回答が返ってくるばかり。
マジ、なのか…?
今すぐ駆け付けたい。
でもそれは、今の俺の役目じゃないんだ…。
「…行かないの?」
浮気相手に言われ、ビクッと肩が震えた。
「だってそれは、貴女の役目…」
「え?何で?」
「だって…貴女は隼人の…」
言うのが、正直怖い。
肯定されたら、俺は正気でいられるだろうか。
何だよ、こんなに怖いってことは、俺はまだあいつのこと…。
「隼人の、浮気相手…」
「………は?違うよ」
……は?
え、え?
「だってこの前、一緒に指輪見てた…」
「あぁ、あれは…」
「え?」