第14章 熱
「隼人やだ、やめて…んっくぅ……」
体をまさぐられ、声がもれる。
何でこんなに、声が…。
「本当に、やめてほしいの?」
耳元で吐息混じりに呟かれぞくりとする。
もれそうになる声を必死に我慢し言葉を紡ぐ。
「当たり、前だ…!」
「……ふーん。でもさ…」
顔を隠していた手を退けられ、隼人と目が合った。
「そんな顔で拒否られても、説得力ないけど」
そんな顔って…。
触れるだけのキスをされ、改めて隼人と向き合う。
「そんな顔すんなよ、誘ってんのか?」
「い、意味分からないこと言うな!」
誘ってるつもりはない。
けど、さっきの行為は嫌ではなかった。
そう伝えることは出来ないけど、言葉じゃない何かと、俺たちは繋がってる気がして…。
「じゃあ貴夜。いいよな」
頬に手を添えられた。
隼人の少し熱い体温が伝わってくる。
あぁ、安心するな…。
「勝手にしろ」