第12章 【澤村 大地】私の彼はBグループ?
「えぇー!?澤村と付き合ったの?」
クラスの女子達に囲まれて
朝から質問責めにあっていた。
「まさか、ひろかが澤村と…」
「どう考えてもBグループでしょ?」
「まぁ、Aグループの男子を狙うライバルが減って嬉しいけど…」
彼女達は研修旅行で書いた
男の子のランキング表を見てそう言った。
「ちょっとー!澤村くんはBじゃないもん!」
抵抗する私の言葉は全く聞き入れてもらえなかった。
「おーい、佐藤!旦那が来てるぞ」
声のする方を見ると、
教室の入口に澤村くんが立っていた。
嬉しいけど、
周りに見られて恥ずかしい。
顔の筋肉がおかしくなりそうだった。
駆け足で澤村くんの元に向かって、
ささっと前髪を直した。
(…変じゃないかな)
ここにいると絶対からかわれるので、
少し歩いて話すことにした。
「なんかすごかったな」
少し困った顔で澤村くんは笑っていた。
「ごめんね。私が友達に言ったらすごい勢いで広がっちゃって…」
迷惑だったかな…と澤村くんを見た。
「別に俺はかまわないよ」
澤村くんの発する言葉一つ一つが
私の心に響くんだ。